なぜ人は物語に共感し、行動するのか?衝撃的な3つの理由
お久しぶりです、ミズノです。
最近、めっきり映画を見なくなってしまってまった僕ですが、
見逃してしまったもののいつかは見たいと思ってる映画があります。
それはリドリー・スコット監督の『ハウス・オブ・グッチ』です。
ⓒ 2021 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. ALL RIGHTS RESERVED.
本作は現代のファッションブランドの元祖と言われる「GUCCI」の
”ブランド成功の裏側”に実際あった裏切り、復讐、殺人などの衝撃的な実話が元になっています。
僕自身、有名なハイブランドを所有すること自体にはあまり興味がありません。
ただ、この映画に対して興味を持った時点で「背景や物語そのもの」には、
強い興味があるんだなと改めて感じました。(本作を見たらグッチが欲しくなったりして笑)
そこで今回の記事では、
「人が何故物語に対して共感・信頼をし、行動するようになるのか?」
について、少し斜めの角度から紹介していきたいと思います。
商品やブランドにおける物語の重要性
まず前提として、いかに物語が普段の生活に組み込まれていて、
いかに物語によって他者との関係性を築いているのかの事例を簡単に紹介します。
①映画やドラマ、漫画や小説
物語という単語を聞いたときに、
まず初めに思い浮かぶのがこういった「創作物」ではないでしょうか。
ストーリーを通して登場人物に共感し、ハラハラしたりウルっときたり、
同じ作品を見た人と内容について話し合ったりしたくなりますよね。
漫画作品で言えば『ONE PIECE』が有名です。
これは物語自体が商品になっている部分もありつつ、
設定と作者が張っている伏線を元に、熱心な読者は独自に考察をしています。
その証拠に、考察だけのYouTubeチャンネルがいくつもあったり、独自のコミュニティが生まれたりしています。
②アーティストへの支持
アーティストが売れる理由(メジャーレーベルが売り出すための指標)として、
アーティストが活動するなかで作り上げてきたストーリーが出来上がっていくことで増やしてきた一定の支持者の数が上げられます。
物語が強固で説得力や共感性が高ければ高いほど、そのマーケットを拡散させるためのアプローチをかけやすいため、メジャーデビューにもつながりやすくなっています。
現代ではYouTubeの普及によって有名になったインフルエンサーが音楽を配信して人気を博したり、メジャーデビューを果たす。などがよくあります。
これは音楽そのものというよりも、インフルエンサーが作ってきた物語や信頼によって、複利的に作品が前向きな評価を受けるようになっていると言えます。
③友人の結婚式
結婚式で必ずと言っていいほど放映される「プロフィールムービー」も物語の一つです。
自分との思い出以外に、友人の生い立ちやパートナーとのなれそめ(物語)を見ていくことで、
ムービーを見る前よりも友人とパートナーの関係性に対しての共感を生みます。
ムービーを見たことで笑ったり、涙したり、より応援したいという気持ちが芽生えた経験がある方は少なくはないのではないでしょうか。
これはビジネスのように直接的な利益に関わるわけではありません。
しかし、何かあった時に協力したり支えたりしたいという気持ちをより強くするためには非常に有効な手段だと思います。
ではなぜ、人は物語をベースにして共感・信頼し、行動に移すようになるのか。
実はこれには実験や研究による考察が存在します。
何故物語に対して共感し、行動するようになるのか?
スタンフォード大学のマーケティングおよび心理学専門の教授、ジェニファー・アーカー氏の研究では、
事実や数値の羅列よりも、物語があることで最大で22倍記憶に残りやすいことが明らかになっていると言われています。
※参照
https://womensleadership.stanford.edu/stories
さらに、認知心理学の第一人者であるドン・ノーマン氏によると、
人は何か新しい出来事や物事に直面した時に、その出来事を理解するために説明を探そうとして頭の中で「物語」を作り出すといわれています。
※参照
The Design of Everyday Things(1988)
つまり、人の脳はいたるところに存在するあらゆる事実や事象を紐付けて考える時に、
ストーリー(関連性のある出来事)になっていることで物事をより記憶し理解しやすくなっているということです。
これは一時期流行った記憶術として、ストーリー仕立てにすることで物事を記憶しやすくするというものがありました。
まさにその記憶方法は、心理学的にも筋が通っているという事でしょう。
また、カリフォルニア州にあるモント大学院大学の研究員であるポール・ザック博士の実験でも、
人は物語がある事で客観的に感情移入する事ができ、それによって「信頼ホルモン」として有名な「オキシトシン」が脳内で増えるという事が明らかになっています。
参照
https://www.researchgate.net/publication/7811372_Oxytocin_Increases_Trust_in_Humans
被験者毎の受け取り方も様々あるとは思います。
しかし実際に実験の結果として、物語があるかないかで神経伝達物質のオキシトシンが生成され、
それによってストレスを軽減したり共感を生み出しているということです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
ビジネス目線でとらえた場合、見込み顧客に対して理解しやすい物語やサービスの接点を提供することが重要です。
それにより、より深い認知や共感を生み、同時に熱量を高めていけることがわかります。
そしてこれらの仕組みは、我々人類の脳の働きとして元々備わっている機能による必然的な反応である事も明らかになっているということです。
ただし、個々人が経験してきた記憶や脳の働きによって例外も存在します。
いくら物語があったとしても本人に興味・関心が無ければあまり意味がないことは間違いありません。
そのためビジネスにおいては、いわゆるセグメント(顧客の属性)をしっかりと理解し、切り分けたうえで、適切な物語を提供する必要があります。
そうすれば、お客様に対して商品の魅力をより感じて頂く事ができるといえるのではないでしょうか。
以上、ミズノでした!