買い手が商品の価格を決めるサービスとその3つの魅力

DX

どうもミズノです!


6月に入りそろそろ梅雨の時期に入るかなー?という空気が出てきた半面、

全体的にそろそろコロナ禍を抜けてきたんじゃないか?という雰囲気も出てきました。


コロナ前はリモートなんて選択肢は当然ありませんでしたが、

知人の勤めている会社では、コロナ禍が終わってからも「完全リモートになってオフィスを撤去・小規模化する事になった。」なんてことも聞きました。


また、YouTuberなど国や場所に縛られない収益基盤の移行を目指す人が増え、個々人でのコミュニティの作り方や繋がり方が変化し、SDGsへの意識が推奨されています。


時代の変化に合わせて様々なサービスのあり方や価値観が変わってきているのを感じた方も多いんじゃないでしょうか?

こういった価値観は最近広まって認知されるようになりましたが、
実は結構前から先述したような価値観に順応したサービスがあります。


今回の記事では、僕の”これまでの価値観が180度変わる事になったサービス
「Bandcamp」を紹介します。

Bandcamp

みなさんは普段音楽を聞かれますか?

僕は音楽に対して若干、一般的な感覚からずれた嗜好を持っているところがあるだけでなく、若干オタク気質なところがあります。

そのため、業界に対して商業的、経済的な目線で音楽を考察する機会があったりなかったり。


以前書いた記事でも取り上げましたが、個人的に面白いと思ったのは、音楽ストリーミングサービスのSpotifyが提供するAPIです。

※API:その曲のキーや雰囲気、楽曲の構成などの細かい情報がデータ化されたもの

流行の楽曲の傾向や売れる時期を徹底的に分析して制作された楽曲が、2017年リリースの楽曲で世界で一番聞かれた日本人アーティストになったというケースがありました。

上記はレアケースですが、一般的にはそこまで楽曲を聞かれるためにはメジャーまたはインディーズのレコード会社と契約して楽曲をリリースするのがベターです。


メジャーな音楽シーンでは、インディーズのレコード会社と契約して一定数のファン層を抱えたアーティストがメジャーのレコード会社に移籍します。

そして、メジャーのレコード会社による資金力とブランディングや広報力によって爆発的に認知を拡大させるという流れが一般的です。


そういった流通の流れが当たり前だった中で、2007年にサービスを開始したのがBandcampです。

Bandcampは、世界各国のメジャーからインディーズ・個人のあらゆる音楽家が、Bandcamp内で独自のアーティスト専用ページを作ることができます。

その中で自作した楽曲や個人で制作したレコードやカセットテープ、グッズ等を販売出来るプラットフォームです。

販売する商品の価格は大きく分けて2つ。

①無料(代わりにメールアドレスを収集するか否かを選択出来る)

②有料

この2種類から選ぶ事が出来ます。

このサービスが2007年時点で画期的だと思ったのが…

①世界に開けたマーケットに対して誰でも無料で販売出来る。

②販売価格をリスナー側が自由に選ぶことが出来る。

③販売者やリスナーをフォローする事で新作情報や購買情報を受け取れる。


この3点です。

①世界に開けたマーケットに対して誰でも無料で販売出来る

個人が無料で登録し、誰でも楽曲を販売出来るプラットフォームは2007年時点では存在しなかったと記憶しています。

このサービスが登場するまではレコード会社を通してでないと、海外はおろか国内で音楽を流通させる事はとてもハードルが高く難しい状態でした。

しかしBandcampは、各国通貨での決済に対応して、個人でも世界を相手に取引がしやすくしていることで、販売の対象を広げられるようになっています。

この点において当時は「自分で作った楽曲もこんなに手軽に発信できるんだ!」と感激し、”音楽業界はレコード会社と契約するのが当たり前”という考え方が180度変わる事になりました。


もちろんブランディングやプロモーションなどの後ろ盾の有無の差は大きくあります。

しかし、国や場所に限定されず、世界の音楽好きと横のつながりが出来るようになったという点でも大きな変化があったように感じます。

②販売価格をリスナー側が自由に選ぶことが出来る

Bandcampのサービスで特徴的なのは、商品の販売価格をリスナー側が自由に選ぶことが出来る点です。

リスナーが無料の楽曲でも、有料の楽曲でも、最低額として指定された金額より多い金額を払う事が出来るという「投げ銭制度」に近いシステムです。

今でこそストリーミングが主流になりましたが、2015年にApple musicが開始されるまでは、音楽ファイルを購入したり、CDから音楽を取り込んで視聴する人がメインだったように思います。

当時は音楽ファイルを無料でダウンロードできるというのはとても重要でした。

そのメリットをベースに他のリスナーに対しての拡散力を確保しつつ、アーティストに対して還元したい一定数のリスナーにリーチ。

上限無く任意の価格をペイ出来るようになっている仕組みは、認知だけでなく支援としての可能性を広げるための素晴らしい機会になっていると感じます。

今で言うYouTubeのSuper Thanks(動画への投げ銭的な機能)のようなものは、2007年のサービスリリース当初では珍しかったと記憶しています。

「CDのアルバムは2,100円から」という固定観念があった当時からすると、「購入者によってその商品の価値が変わる事は全然ありうる」という事に気付いたという点でも、価格の決定をリスナーに委ねる事が出来る仕組みは衝撃的でした。

③販売者やリスナーをフォローする事で新作情報や購買情報を受け取れる。

Bandcampではアーティストをお気に入りに追加して新作をチェック出来るだけではありません。

リスナー同士でフォローをする事が出来るため、音楽の趣味に応じてフォロワー同士で繋がり、ファン同士である種のコミュニティが形成されます。

サービス内で明確なファン同士でのコミュニケーションは取れませんが、作品の購入履歴によって音楽の好みの傾向が近いファン同士でフォローしあう事ができます。

個々人の間で好みのアーティストや楽曲を知るためのチャンスをより多く広げる事ができるようになっているのです。

アーティストとファン、ファン同士の交流など人と人をマッチングさせ、更にファンと楽曲との新しいマッチングの機会を与える…

コミュニティの重要性を感じさせるという点でも凄く先見性があり、ポジティブな輪を広げるすごく良い仕組みだなと個人的に感じました。

さいごに

今回はこれまでの価値観が180度変わったサービスとしてBandcampを紹介させて頂きました。

Bandcampでは、作り手と聞き手の両方のメリットと徹底的に向き合っています。

そして、定期的に起こる社会問題などへの意思表明をすることで、多くの国の様々な人種のアーティストやリスナーが安心して利用出来るサービスになっているのです。

もし何かあなたの感性に大変革があり、音楽への興味が無限に広がる機会があれば、ぜひBandcampを覗いてみてください。

無限に広がる音楽の世界と、独自のコミュニティのあり方に新鮮さを覚える方は少なくないはずです。

以上、ミズノでした!

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