失敗しないDXを実現するための3つのポイント

DX

はじめまして、水野です。
2020年頭から2021年現在も世間を騒がせている新型コロナの影響を受け、
徐々にDXという言葉の認知度と重要性が高まってきています。

今回の記事では…

「そもそもDXとは何か?」という基本的なことから
「DX対応をする際に気を付けるべきポイント」までまとめました。

常識として知っておきたいという方や、
これからDXを始めたい事業者の方が
DX対応を進めるための足掛かりになれば幸いです。

【目次】
1.DXとは何か?
2.DXの導入事例
3.DX対応を進めることのメリット
4.DX対応で気を付けるべき3つのポイント
5.まとめ

1.DXとは何か?

DXを簡単に説明すると「Digital Transformation」
日本語にすると「デジタル変革(変換)」の略ですが、
比較的多くの方がDXを「業務のITへの置き換え」と捉えてらっしゃる方も多いのではないでしょうか?

あくまでも顧客や社会のニーズがベースになりますが、
DXの本質は、ITによって今ある業務を自動化・効率化させる事とは違い、
ITによって今あるビジネスモデル自体を抜本的に変えるという事です。
(※変革させる上で業務が効率化・自動化される事もあります)

この前提を踏まえて、
「同業他社はどうやってDX対応を進めているのか?」

であったり、

「もし今の事業をDX対応させるとしたらどうすればいいのか?」

と思われる方も多いはずですので、

まずは実際にDX運用へシフトし、
ビジネスモデルが変革された事例をいくつかご紹介します。

2.DXの導入事例

■データを一元化して利益を見える化(安川電機)

部門毎で管理されていた分断されたデータを社内で一元化することで、
部門を跨いだデータのやり取りに時間や手間がかかっていただけでなく、
手間がかかるからこそ埋もれてしまうデータが多くなっていたそうです。

例えば製造部門ベースでは黒字、営業部門ベースで赤字があった場合、
製造コストを減らして営業部門ベースでの赤字を補うために別の工場で製造をするとします。

製造部門ベースでの製造コストを減らして営業部門を黒字にしたとすると、
製造部門から営業部門までの全体での利益が減ってしまうようでは意味がありません。

このように部門間でデータが共有されていなかった場合、
全体での利益を減らしてしまうケースも出てきてしまうでしょう。

こういった課題に対して社内データの一元管理という方法を取る事で、
各部門毎での経営状況の把握と適切な経営判断が出来るようになりました。

また、自動化とデータの活用によって製造リードタイム
(原材料から製造、製品として出荷されるまでのすべての時間の合計)を従来に比べて6分の1に短縮しつつ、
組み立てに必要な人員を3分の1に減らすことで、
DX導入前よりもクリエイティブな部分に目を向ける事が出来、
顧客満足度の高い製品の製造に向けて注力出来るようになっています。

参考:
https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/special/00394/?P=2

■会員カードをアプリ化してデータ活用(マロニエゲート)
従来使われていた会員カードからスマホアプリに切り替え、
購入情報を顧客データと紐付けて管理することで、
顧客毎の特性(年齢や性別など)をもとに、来館目的(観光ついでなのか通勤or通学途中に寄っているのか)や
それぞれが来館する曜日時間帯や店舗毎の購入数、購買率などが把握出来るようになりました。

更に、前回の来店から一定期間が経過した会員に対して
アプリのプッシュ通知機能を使って来店を促す事ができ、
チラシ等のダイレクトメールなどを含め、年間数千万円かかっていた費用を
大幅に削減することに成功したそうです。

このように、ユーザーのニーズを的確に判断して欠品を防ぎ、
過剰な廃棄が生まれないよう対策を取ったり、
余分な経費を削減することが出来るだけでなく、
資源の無駄を減らせている点に関しても、
SDGsを踏まえた、これからの時代特に大事な考えに向かって変革出来ていると言えるのではないでしょうか。

■音楽の楽しみ方を変える月額定額制サービス(spotify)
これまでカセットやCDのコピー、レンタルや中古など、
楽曲を作成したアーティスト本人へ還元されない場所での流通があり、
法律規制の範囲についても長年懸念されていましたが、
近年Spotifyのようなストリーミングサービスによって、
再生された回数に応じてアーティスト本人や権利者に収益が配分される仕組みを作っています。

またspotifyはAPIという技術を使用して、
楽曲毎に

・ジャンル
・テンポ
・キー
・平均の音量
・生楽器で構成されているか
・ライブ感はあるか
・ボーカルが含まれているか
・踊れるか
・エネルギッシュか
・歌詞があれば歌詞

といったようなデータを複数保有しており、
ユーザーが作成したプレイリストの中にある楽曲から、
近い要素を含む楽曲をユーザーに提案出来るようになっています。

そのため、ユーザーはより多くの好きな曲を知って聴く事ができ、
アーティストも楽曲を聞かれる機会が増え、
Spotifyも利用者を増やすことが出来るというwin-win-winの構図を作る事に成功しています。

3.DX対応を進めることのメリット
DX対応を進めることによる大きなメリットを単純な視点で見ると、
効率的かつ効果的に利益をあげる為に必要な施策のように思えます。

しかし本来はそれだけではなく、
ユーザー個人個人が持っているニーズやウォンツに対して、
マンパワーではなくユーザー自身のデータを用いることで多くの人に対して適切なサービスを提供出来るようになり、
よりサービスに満足してもらう事が出来ることで相乗的に収益を伸ばす事ができます。

つまり、ユーザーに満足して頂く事が出来るからこそ、
顧客から長く愛されるサービスを運営し続けられ、事業を発展させていく事が出来る。

これがDXの最大のメリットと言えるのではないでしょうか。

このようにDXは多くの人から長く愛される事業を運営していく場合の手段として、
今後意識せざるをえない要素になってくるでしょう。

4.DX対応で気を付けるべき3つのポイント

■社員全員の意識改革が必要

DXの運用にはトライアンドエラーが必要不可欠なので、
予算的な視点からも現場だけで進めようとしてもDX運用は始まりません。

また、逆に経営者だけがDXに対する意識が高いだけではだめで、
そのシステムを運用する現場にその意識が浸透していなければ
具体的にどうシステムに落とし込むかが現場でしかわからずDXは上手くいきません。

社員全員がDX化に向け、実現するために何をどうすべきかを
”具体的”に向き合うための意識改革と実際のが必要不可欠です。

■目的とゴールはシステムの導入ではなく、課題の解決

例えDX化するとしても人間の力が必要な場面はありますし、
そもそも目的が明確ではないので、もしシステムの導入が上手くいったとしても、
ただ業務を自動化&簡略化させるだけだったり、
最悪の場合手間が増えてしまうというパターンも考えられます。

DXの導入を”流行だから”とか、
“みんな始めているから”という理由で始めてしまうと、
そのDX化の動きは無駄になってしまうでしょう。

スーパーの場合は「欠品や廃棄を減らして商品の流動性を高めるため」
サービス業の場合は、一人一人のお客様にあった商品やサービスを提供しながら、
顧客のニーズに合わせた商品自体のクオリティを高めていくため。
といったように、

まずはDX運用をする目的とゴールを
「お客様によりよい顧客体験をしていただくため」
という点にフォーカスし、その時にリストアップされる課題の改善を目的・ゴールに設定し、DX化を進めましょう。

■DXを進める為の人材の設定

一口でDX化を進めると言っても、
まずはITやテクノロジーに関するリテラシーのある人間が居なければ、
そもそもどういった作業が簡略化出来、どういったデータを残して
どう活かすのかという点を想像することすら出来ないのではないでしょうか。

それではDX化が進められないどころか、そもそもIT化する事すら出来ないでしょう。

5.まとめ

DX展開するためには、

・顧客体験を高めるために何をすべきか?
・デジタル技術では何をする事ができるのか?
・事業をどう変えていく必要があるのか?
・実現するためにどういった人材が必要なのか?
・どういった形でデジタル技術を導入するのか?

などを明確にすることが重要です。

まずは「本当にDX化が必要か?」「DX化を先送りしようとしていないか?」
など、今の事業と世界の”これから”を想像した上で、
あくまでも顧客体験を改善させる為の具体的な目的を明確にし、
それに向かって何をすべきなのか。

一つ一つ整理しながら計画を立て、着実にDX化を進めていきましょう。

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