D2CとECの決定的な5つの違い
D2Cとはなにか
Direct to Consumerの略になります。
ソーシャルメディア(SNS)や自分の顧客リストにおいて自ら企画、
生産した商品を広告代理店や小売店を挟まず、消費者とコミュニケーションを取り、
ダイレクトに取引する販売方法を指します。
ここ数年でアパレルブランドや
美容化粧品ブランドの多くが採用しているモデルになります。
では、D2Cと従来のECサイトとなにがどう違うのか。
簡単にまとめると以下の5つです。
①直接販売と直接コミュニケーション
②顧客分析
③LTV(顧客生涯価値)
④販売者の世界観やストーリー
⑤ファンコミュニティとの親和性
①直接コミュニケーションからの直接販売
従来型のECサイトでは、販売してから顧客と繋がるパターンでした。
しかし、D2Cは販売前から顧客のブランド好意度を高めるために、
直接のコミュニケーションを心がけます。
つまり販売者に対する信頼の残高を蓄積し、
顧客ロイヤリティが高いファンを作っていことが重要です。
モノ売りの時代は終わり、コト売りに移行しましたが、
現在はコトにプラスしてヒト売りの時代です。
誰から買うのか、誰からサービスを受けるのかと顧客意識は変化しています。
その変化の象徴がD2Cと言えるでしょう。
②顧客分析
コミュニケーションから得られる情報や、アンケートから得られる情報、
また、デジタル上での顧客の行動を基に顧客分析が可能です。
従来のECでは、顔の見えないメルマガリストに対して
一斉送信してアプローチしていましたが、
D2Cは、この情報を送っていい顧客と送っていけない顧客をセグメントします。
自分が育てたファンは、全て同一の人間ではありません。
一人一人違う顧客なのです。
僕は顧客ではなく、個客と考えています。
③LTV(顧客生涯価値)
LTVとはLifetime Valueの略で顧客生涯価値と呼びます。
簡単に言うと、一人のお客様が一生涯で自社にいくらお支払いいただけるかの指標です。
このLTVの指標は、顧客の満足度にも関係が大変深いものです。
従来のECサイトでは販売がゴールでしたが、D2Cは購入前から関係はスタートし、
購入後に改めて関係が再スタートします。
その関係が健全で友好的であるかの指標がLTVといえましょう。
④世界観やストーリーとライフスタイル
ものが溢れて選択がしにくくなっている今、
共感する応援するなど心が豊かになるものを消費者は求めています。
「この分野はもっとイノベーションできるはず!」との想いや
「世界をこう変えよう、ライフスタイルはこのように変わるはず」との世界観
そこに一人でも戦ってきたストーリーが必要です。
簡単に言うとドラゴンクエストです。
人々が平和で豊かに人生を送れるために、怪物に一人でも立ち向かう。
全く力がなかった少年が、戦いで経験値を上げ、やがて共感する仲間が一人
また一人増え、ドラゴンに最終決戦を挑む。当然、なんども挫折はありますよね。
成功までには挫折や失敗がつきものですが、
それに諦めずに挑み続けるストーリーがとても重要です。
⑤ファンコミュニティとD2Cの親和性
スパイク山本はサブスク型のコミュニティプラットフォームを運営しています。
毎月の課金型オンラインサロンですね。
ファンコミュニティでは、コンテンツ提供や
オンライン、オフラインでイベントを開催しています。
その中で、ファンとコミュニケーションし、関係値を高め、
商品企画を行いD2Cを行っています。
統計でみるとコミュニティ会員の約36%前後は
最初のD2Cプロモーション時に反応しています。
また、コミュニティ化しているので、
誰がいつなにをどのくらい購入したかのデータを始め、
コミュニティ内での活動や発言などもデータになっています。
なので、誰になにを提案すればよいのか、
誰にお声がけをしたほうがよいのかが分かるようになっているのです。
僕のプラットホームは、コミュニティDXと称して、
デジタル上でコミュニティを動かし、データを蓄積し、
その分析から個客対応の最適化を行っています。
これからの時代は、ヒト売りも加わりましたので、
顧客ではなく個客に対して寄り添う。
顧客体験を作り、ときにはおせっかいを焼いたり、
ヒトとヒトの繋がりを価値に変える時代です。
その観点からもファンコミュニティとD2Cの親和性は非常に高いです。
株式会社売れるネット広告社が調査した、デジタルD2Cの市場動向調査によると、
日本の2020年のデジタルD2C市場は2兆2,200億円に達する見通しであり、
2025年には3兆円に達すると予測されています。
経済産業省が発表する「電子商取引に関する市場調査」によると、
2019年度の物販系分野のBtoC・EC市場規模は19.4兆円であり、
全体の消費者向け電子商取引全体の約10%を
D2C分野の取引きが占めていることが読み取れます。
新型コロナウィルスの影響もまだある現在、
さらにEC市場規模が拡大していることが予想されることもあり、
今後のD2C伸びしろに注目です。